ブリオリウスの妄想

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西遊記で見るドラゴンボール考察 其の二 敵と味方編[序盤]

今回の第二部の投稿に一年以上かかってしまい申し訳ございませんでした。というのも前回の師匠編執筆にあたり、ドラゴンボールの元ネタが西遊記とその周りの物語のみならずインドの経典からも来ていることがわかり、西遊記だけでは考察不能だった多くのキャラの元ネタにたどり着き、思った以上に考察が深くなってしまい時間がかかってしまいました。そのお陰で今回の敵と仲間キャラの元ネタ考察がより真実に近くなったと自負しております。

*以下の作品のネタバレや情報を含みます。

漫画:ドラゴンボール(単行本連載中の超はまだ含みません)封神演義(ジャンプコミックス)
小説:西遊記(中国)、ラーマーヤナ(インド)

教義:仏教、道教、ヒンドゥー教

*ドラゴンボールと西遊記両方に知識のある方向けですが、なにかしら知っていれば読める文章にしております。  

*キャラは基本的に時系列ごとに紹介いたします。

*ここの内容の一部をそのまま拝借して動画にしている方がいるという報告がありました。動画で使用する場合は動画内か動画の説明でここのブログのリンクを張って貰えればいいのでよろしくお願いします。

初期キャラ

単行本で言えば1~3巻、神龍を呼び出すまでの期間を想定しております。

先ず西遊記の一行は三蔵法師、悟空、八戒、悟浄、白馬(龍馬)の5名なのですが、これに当てはまるドラゴンボールのキャラを考察してみます。

初期は一番わかりやすく西遊記をしていたのですぐわかります

三蔵法師は前回の師匠編で説明しておりますのでそちらをご参照ください。

ウーロン

西遊記で言う:猪八戒、玉龍 お茶で言う:烏龍茶

ドラゴンボールで願いを叶えし豚
猪八戒としては見た目が一番明確でわかりやすいキャラ。悟空とブルマの最初の仲間。物語中最初にドラゴンボールで願いを叶えた存在。あの時動転せずにまともな願いごとをすれば世界を手にしていたのにそこは欲のない豚。
戦闘能力は皆無ですが、変身能力と下衆なところは西遊記の猪八戒そっくりです。彼のピークはドラゴンボールで願いを叶えた所までなので、物語がバトル路線に移行した際にはクリリンが猪八戒役を担当することになりました。その関係で登場時のデザインを比べるとウーロンとクリリンには見た目の共通点が多くクリリンはウーロンを作り直したキャラだとも推測できます。
それ以降は控えのコメディーリリーフキャラとして稀に活躍する程度となってしまいましたが、物語終盤まで顔を出すことは多かったキャラです。烏龍(ウーロン)という名前が覚えやすいので知っている人は多いはず。プーアル同様名前の由来はお茶。

烏龍という名前に龍が入っているのと、乗り物を提供しているところから西遊記の玉龍の要素も少し持っています。

ちなみにウーロンの願ったパンティにも元ネタがあるようで、西遊記の元ネタの一つのインドの造物神たちをプラジャーパティと呼ぶのですが、鳥山先生的には多分これがブラジャーパンティーに見えたと思います。なのでウーロンが願ったものはとても神聖なものだったのです。

ヤムチャ

西遊記で言う:沙悟浄

ナイスガイすぎる噛ませの心優しき常識人
初登場時は敵、登場場所が砂漠、ぼさぼさ頭、緑リスペクトな服装、そこそこの戦闘力、地味さ、味方になった瞬間乗り物を提供してくれる部分等すべて西遊記の沙悟浄と合致します。
三蔵法師役であるブルマは西遊記同様、常に悟空、八戒役、悟浄役の誰かしらに守られており、ドラゴンボールでは悟空が武天老師の元での修行で不在だった際にはブルマと恋人同士という経緯でブルマと供に西の都に住んでおりました。西遊記での沙悟浄も猪八戒より実力が下のせいか主に三蔵法師の護衛役が多かったので地味な印象です。
西遊記で沙悟浄が仲間になった時は法船を出して一行を乗せて流沙河を渡りましたが、ドラゴンボールでは仲間となったヤムチャがマイティーマウス號を提供して砂漠を渡るシーンが有りました。
ヤムチャは人間としてはものすごく強いのですが、中盤以降の人外だらけの敵相手に人間程度のヤムチャではきつく、サイヤ人編、アニメで言うZ以降は沙悟浄役をピッコロに譲ります。

プーアル

西遊記で言う:龍太子、玉龍 中国茶で言う:普洱茶

さり気に最初期から舞空術で移動するモモンガのような生物。
三蔵法師が乗っている馬は龍の太子が変身したものなのですが、乗り物にも変化できるプーアルはおっとりした性格も相まって龍太子のイメージが重なります。ウーロンも変身できますが未熟なため実用性は少ないです。西遊記でも龍太子はおっとりした性格で活躍の場も少ないですが一応人型形態での戦闘描写もありましたがやはり弱かったのでプーアルとイメージが被ります。

確かに非力というイメージですが、天下一武道会でヤムチャが天津飯に足を骨折させられた際には空飛ぶ魔法の絨毯に変身して彼を病院に運びました。「刃牙」の烈海王は成人を担いで川をほぼ渡っておりましたが、こちらは成人を乗せて空を飛ぶので間違いなく川を渡るより飛ぶ方がカロリーを使うので実は隠れた強キャラなのかもしれません。一応占いババの所のドラキュラマンを倒している実績も持っていますしね。

モチーフとなったプーアル茶は酵素発酵したお茶でやたら濃い黒色をしていますが、ウーロン茶よりカフェインが軽めでサッパリしていて冷たく飲んでも美味しいです。

以上が初期の三蔵一行と考えます。

その他キャラ

最初の魚

西遊記で言う:霊感大王

一話目で最初に悟空に殺されて食料にされた化け魚を覚えていますでしょうか、西遊記では初期の敵に観世音菩薩(魚藍観音)の蓮池にいた金魚が菩薩の説法を聞いているうちに妖怪になり霊感大王と名乗った妖怪が元ネタとなります。ちなみに魚がいた最初の滝は西遊記で初期の頃に孫悟空が子分と一緒に住んでいた水簾洞がモチーフです。

最初の熊の盗賊

西遊記で言う:黒風怪(こくふうかい)

黒風怪は西遊記の初期の敵で熊の精、ドラゴンボールでは最初の敵として登場した熊の山賊の元ネタとなります。

兎人参化

西遊記で言う:人参果(にんじんか) 玉兎(ぎょくと)

触ると問答無用に生き物を人参に変えてしまうという、ハンターハンターなら最強クラスの能力者で人参化した人間もいつでも術者の意思で戻すことも可能。能力は直接触らないといけないので飛び道具や得物が弱点。真面目に取り扱うとドラゴンボールの作風に合わないのでギャグ能力扱いで終わりました。例えば悟空が手袋をして彼を投擲に使えば当たった相手は人参となり勝利が確定します。肉片に触っただけでも効果があるのなら最大パワーで投げて四散させれば広範囲にも効果がありそうです。フリーザあたりにも効くとすれば初見では回避もしないでしょうから最強です。もしくは彼の肉片を粉にして都会で散布すれば(略
兎人参化というキャラは西遊記で出てくる育つのに1万年かかり食べると4万年寿命が伸びる「人参果」という有難い作物と、三蔵法師に性的に迫ったという玉兎の要素が混ざったキャラです。玉兎の要素はバニーガール姿のブルマにもみられましたが、あの強引なバニーガール衣装のくだりは実は玉兎へのオマージュだったと考えると納得がいきます。当初は玉兎という色っぽいウサギキャラクターを構想していた名残ではないかとも推測します。鳥山絵ですごく見てみたいですよね玉兎、と思いましたがそれはランファンさんで成就されました。

ウミガメ

西遊記で言う:大亀

まつたけ狩りでみんなに置き去りにされた可愛そうな亀
西遊記では通天河という川を渡る時に先程の霊感大王を懲らしめた後、本当の河の主である大亀が現れて三蔵一行をその背中に乗せて河を渡りますが、一行は最後の最後に亀からしっぺ返しを喰らいます。ドラゴンボールでここは浦島太郎的な話で進むので西遊記との逸話的な関連性はなさそうですが一応亀だけは登場させた形となります。

脇役の亀とは言え相当長生きで人の心も理解しており人語も話す仙人レベルのすごい亀なので、実はこの亀こそが名実ともに真の亀仙人だったりします。

牛魔王

西遊記で言う:牛魔王

元殺人鬼の優しい身内のおじさん
西遊記では牛魔王は孫悟空の義兄弟で兄貴分として天軍相手に共闘していましたが、後に牛魔王の息子の紅孩児の因縁で争うことになります。ドラゴンボールは西遊記オマージュとは言え、ここまでダイレクトな名前が出るのは珍しく、当初のガチ西遊記路線の名残的なキャラです。ただしアニメ版オリジナルの銀角と金角は鳥山先生のアイディアではないと思うので認めません。
以後もこの牛魔王の他にも悟空の脅威や強力な兄貴分となる牛魔王役が何人か出てきますが後述します。

チチ

西遊記で言う:紅孩児 成人してからは:羅刹女 仏教で言う:鬼子母神 他:ウルトラセブン

ヒロインの座を逃したヒロイン候補
牛魔王の子供なのでもちろん紅孩児のイメージが付きます。それに加えて「とさか付きヘルメット」と「エメリウム光線そっくりな技」そして母親がいない部分がウルトラセブンと共通しています。紅孩児は三昧神火という鼻から高熱の火を吐く技を持っていますが、ウルトラセブンが額から出すエメリウム光線も熱線と言う設定なのでその辺もちゃんと合わせています。紅孩児もチチどちらも最初は悟空に敵対します。
設定的に色々と意味深な部分が多いので牛魔王同様、ガチ西遊記冒険路線が続けば違った意味でもっと重要なキャラになっていた可能性があります。しかし当時EDですらブルマがフィーチャーされるほどのブルマ人気でしたのでチチの出る機会ありませんでした。
もちろんあの孫悟飯の母親として大変重要なキャラであり、大人になってからは子煩悩な教育ママとしての鬼母っぶりと武器の扱いが得意そうな描写があるのでこれは完全に羅刹女です。ちなみに紅孩児は仏教に帰依し鬼子母神の下にいる財前童子となるので、成人して母親となったチチには鬼子母神の要素もあります。孫悟飯が悟空の血を引きながらも賢く聡明で文武両道な学者に育ったのは紛れもなくチチのおかげです。つまり鬼の教育ママなのです。

ピラフ大王 

西遊記で言う:太上老君

西遊記に於ける悟空の最初の大ピンチは天軍に捕まり太上老君の八卦炉で焼却されようとした時なのですが、ドラゴンボールでもブルマ一行はピラフ城で捕まり灼熱の炎天部屋に閉じ込められました。
西遊記では、焼却できたかなと八卦炉を開けてみた所、火眼金睛の孫悟空が飛び出しましたが、ドラゴンボールだと悟空は満月の夜に赤い目の大猿となって灼熱部屋を脱出しました。このように西遊記の逸話が一度分解された後にさり気なくドラゴンボールの物語で再構築されていルノがわかります。
太上老君は西遊記で何度も登場する物語的にもとても便利なキャラなのですが、ピラフもそれと同様ドラゴンボールという物語では何度も重要なシーンで登場する便利なキャラです。

「大王」はおそらく自称、もしくは何かしらの王家の末裔か。

シュウとマイ

西遊記で言う:金角と銀角

金角と銀角の正体は太上老君の所の童子だったので、ピラフの下にいるこの二人も金角と銀角がモチーフなのでしょう。ピラフ城でブルマ一行を呼んで行き止まりに誘い込んで閉じ込めたくだりは名前を呼ぶと吸い込まれるというあの有名な瓢箪(紫金紅葫蘆)がモチーフになっています。アニメで出た金角と銀角はアニメオリジナルなのでスルーします。

金角と銀角は西遊記の数ある妖怪のうちの二人ですが、名前と瓢箪の逸話が有名なのでなんとなく前座的なボスとして登場しがちなのですが、ドラゴンボールでも物語が1周する度に最初に金角銀角役の二人組が登場することになるでしょう。

神龍

西遊記で言うところの:玉龍

三蔵法師の旅を導くという意味でも玉龍、後々に優秀な龍族のデンデによって命を再度吹き込まれたのでデンデと一心同体での玉龍役となる。
西遊記では玉龍は海を統べる龍王の太子であったが御殿の珠という宝玉を誤って焼いてしまいむち打ち300回の後に死刑と言う判決を受けたが釈迦如来に救われております。この御殿の珠という宝玉がドラゴンボールの元ネタの一つだと考えます。もしかして鳥山先生は「龍の太子すら死刑になるほどの大事な珠ってどんなにすごい珠なのだろう、集めたらすごい事になるのかな?」というささやかな好奇心からドラゴンボールの着想を得たのかもしれません。そういえば海は7つなので、各海の龍王が御殿の珠を持っているとすればドラゴンボール同様7つですね。

天下一武道会、ピッコロ編までのキャラ

一度目の神龍を呼び出した後、亀仙人での修行から天下一武道会を三回やるまで。サイヤ人編手までのアニメで言うZ手前となります。

クリリン

西遊記で言う:猪八戒(二代目)

鼻はないけど人間
名前の由来はくりんとした頭と見た目だからと推測できるので、これは当時のクリンとした鳥山先生の赤ん坊の息子さんがモデルなのかもしれません。プライバシーに関わることなのでクリリンの名前の由来をはぐらかせたのでしょう。身近なものをモデルにするということはかなり切羽詰まっていたと推測され、西遊記路線から変更する際に急ごしらえで登場させたキャラだったからではないかと考えます。思えば結構突然の登場でした。
ということで西遊記路線からの変更に伴い、戦闘能力がない為お払い箱となったウーロンの代わりを担う役として急遽登場したのがクリリンです。西遊記では孫悟空と猪八戒と沙悟浄は「三蔵法師の下での兄弟弟子」という間柄なのですが、悟空とクリリンとヤムチャの三人はそれと同様武天老師の亀仙流の兄弟弟子です。
戦闘力が丁度悟空の引き立て役になる程度なのと、スケベで煩悩的な所も猪八戒です。猪八戒は仏教に帰依しているため8つの戒めを守っている僧侶故に猪八戒なのですが、クリリンも少林寺の僧のような頭を剃り戒疤のある少林寺の僧侶スタイルです。ただなんの躊躇もなく肉を食べていました。
かなり頑張りましたがどんどんインフレする強敵にはついていけず、その猪八戒役は戦闘力とプライドの高いあの方に譲ることとなりました(後述)が、その代わり無事結婚して平和な生活を手にしました。

ランチ

西遊記で言う:サソリの精 インドで言う:パールヴァティー、カーリー

存在意義がよくわからなかった人
今回の考察にとても時間がかかってしまったのはランチさんというキャラの深さのせいです。まず登場時のコマの扱いから元々はより重要なキャラとして活躍するはずだったのが伺えます。そもそもあの鳥山先生が一人のキャラにわざわざ2つの作画を行うのでかなり気合が入っていたのがわかります。ですがくしゃみをすると人格が入れ替わるという二重人格、いわゆる解離性同一性障害という部分がネックとなり、アニメ人気が爆発し社会現象になるにつれて当時の世相的に出しにくくなってしまったのではないかと思われます。現在ではマーベル作品の「ムーンナイト」が解離性同一性障害を全面的に押し出した作品として話題になったばかり、ランチさんの解離性同一性障害も今ならポリコレ的に問題にならないどころかプラスなので、今後のドラゴンボールバースで重要な役を担う可能性は高いと思います。もしくは今の時代が求めるランチさんのスピンオフに期待です。
この二重人格も面倒くさがりな鳥山先生が思いつきでわざわざこのような面倒なキャラ付けを行うとは考えにくいので、元ネタがあると考え西遊記とインドのラーマーヤナに二重人格キャラを探したら普通にいました。有名なインドの破壊神シヴァの妻で慈愛と狂暴の2面を持つパールバティーという上位の神です。
この女神、温厚なパールバティーのときは金色の肌に覆われているのですが、化身の一つである凶暴なるカーリーの時は黒い肌です。そして黒と金はランチさんの人格が入れ替わるときに変わる髪の色ですね。ランチさんは温和な時は黒髪で凶暴な時は金髪なので、ここは元ネタがわかりにくいように意図的に逆転させたと思われます。
以下のものはウィキから持ってきました柔和な時と凶暴な時の側面の名称と訳です。パールヴァティーは二面性以上に様々な性質を内包する女神のようです。

温和な側面
ウマー - 親切な女。
ガウリー - 黄金色に輝く者。
サティー - 貞淑な女。
アンビカー - 母たる者。

恐ろしい側面
チャンディー- 狂暴な女。
バイラヴィー - 恐るべき女。
ドゥルガー- 近づき難い者。
カーリー- 黒い女。

これらの名前の羅列を見る発音的にランチィーという名前が並んでも違和感がないですよね。公式では鳥山先生はランチさんの名前の由来は覚えてなく思いつきで付けたとおっしゃっていましたので、鳥山先生がカーリーの名前を見て「そういえばこの前カリー(カレー)を食べたのはランチのときだったなぁ・・」と考えながらランチさんの名前を思いついたのかもしれないと推測します。鳥山先生だとすごく有り得そうなのです。

ところでランチさんの持ってる銃は弾倉こそないですが、実在するスコーピオンという銃がモチーフのように見えます(UZI等を使う事もあります)。これは西遊記に登場する釈迦如来に弟子入りしながら、釈迦如来の指に一刺しした「サソリの精」も内包されているキャラだという事が推測できます。実際作中三回目の天下一武道会ラストにて天津飯が地面に作った穴にランチさんは神を一蹴して落としたので、彼女が人間として唯一神をけった人間となります。大変細かいオマージュなので、鳥山先生とトリシマさんの教養の高さが伺えます。

ちなみにパールヴァティの夫であるシヴァ神は三つ目なので、ランチが天津飯に惚れるのも必然なのかもしれません。無事天津飯と結ばれてほしい所です。

敵など

レッドリボン軍

西遊記で言う:天軍

孫悟空とドンパチをやらかした軍隊といえば西遊記序盤の天帝軍です。

サイボーグ海賊

西遊記で言う:白骨精

倒したと思ったらまだ生きていたくだりが西遊記の原作と同様です。

ブルー将軍

西遊記で言う:ムカデの精、金角と銀角

ブルー将軍はあの悟空でさえ自力で解くことが出来なかった金縛りの術、西遊記でもあの孫悟空の動きを止めた強力な金縛りの術は百足の精から、縄の術は金角銀角の幌金縄から来ております。

ネズミ

西遊記で言う:地湧夫人

海賊洞窟でブルー将軍の金縛りから悟空を救い一行をピンチから救った恩鼠、これは西遊記でも割と重要な役割を持つネズミの地湧夫人が元ネタです。

ウパ

インドで言う:ユパ(生贄用の柱)

ボラ

西遊記の孫悟空が花果山にいた頃の妖怪の部下に独角鬼王というのがおり、悟空軍の先鋒ととして真っ先にやられて捕まったのがいたのですが、多分これがモチーフ。

イエロー将軍

西遊記で言う:虎力大仙

動物人間は見た目がそのまんまなのでわかりやすいですね。

占いババ

西遊記で言う:驪山老母、普賢菩薩

占いババに関しては西遊記にも登場した驪山老母や普賢菩薩この辺がモチーフになっていると考えますが、まだまだ考察が必要なので発見があり次第この項目を更新します。

タオパイパイ

西遊記で言う:哪吒 

なんか他人に対して融通がきかないところと、柱飛びのモチーフが哪吒とその宝具の風火輪と考えます。風火輪はローラースケートのような感じですが、それに対抗してひねりを加えたのが桃白白のスケボー乗りでの柱飛びなのでしょう。鳥山先生のセンスに脱帽です。

鶴仙人

西遊記で言う:托塔李天王

西遊記では悟空は、哪吒、托塔李天王、二郎真君の順に戦っているので、タオパイパイと天津飯のつなぎに位置する鶴仙人は托塔李天王的なポジションです。西遊記では哪吒と托塔李天王、ドラゴンボールでは桃白白と鶴仙人のお膳立てによって出てきた二郎真君役の天津飯によってようやく悟空に勝利できました。

天津飯

西遊記で言う:二郎真君 封神演義で言う:楊戩(ようぜん)

最後までそこそこ活躍できた高潔で最強の三つ目星人
「二郎真君」は日本だとあまりピンとくる人はいないのですが、別名は封神演義の「楊戩」だと言えばわかる人が多いと思います。あと二郎真君は三つ目で有名な神なので、知っている人ならば一目で元ネタがわかるはずです。
二郎真君は西遊記ではあの孫悟空を破るほどの強さと位の高い武神なのですが、ドラゴンボールの天下一武道会でも天津飯は悟空を破っています。
二郎真君は哮天犬と四天王を従え分身術を使うので、その部分のオマージュとして出たのが四妖拳と四身の拳、気功法は山を割って川を開いたという巨霊神の逸話から来ていると考えます。
西遊記では悟空は太上老君が投げた金剛琢が悟空の頭に直撃し、哮天犬が噛みついて動きを止め二郎真君の勝利につながりました。ドラゴンボールでも悟空は最後に車にあたったせいで天津飯に敗北しました。その車を見ると、フォルムと全面が少し豚っぽく、車にMATO"DOG"(狗)と記載があるのは偶然ではないと思います。
鳥山先生はこうやって西遊記を一度完全分解して、さりげなくオリジナルに再構築するのがとても上手なのです。

餃子(チャオズ)

西遊記で言う:哮天犬 梅山義兄弟

天津飯のオプション
哮天犬は二郎真君に使役、と言うか袖に装備している神犬なのですが、西遊記ではあの孫悟空の動きを一時的に止めるファインプレーを行っており、そのおかげで二郎真君達が斉天大聖孫悟空の捕縛に成功したというすごい神犬なのです。
それと同様に天下一武道会の天津飯対悟空の試合でも超能力(サイコキネシス)で悟空の動きを止めるシーンが有りましたが、あのシーンにもちゃんと元ネタがあることに驚きます。こっちはお天津飯に怒られましたけど。
梅山義兄弟達は義兄弟なところと弱すぎて餃子同様以後の戦いには連れてもらえないところが共通点です。

ヤジロベー

西遊記で言う:猪八戒

美味しいところを持っていくピンチヒッター
優秀なバランサー(ヤジロベー)としての補欠要員、クリリン死亡時、不能時もしくは不在時の代打の猪八戒役です。体型は猪八戒、声と顔はクリリンに似ています。なのでウーロンにも似ています。この三名を並べるといずれも猪八戒の性質を備えているのが薄っすらと見えてきます。そもそも漫画の中でわざわざ声がクリリンに似ていると言及する部分がアニメに配慮しいるかのように意味深なので、かれらは公式に同じ枠扱いだと思われます。
ヤジロベーでわかるのは、三蔵一行は欠員や戦力外が出ても素早く代役のキャラが当てられるので三蔵法師一行はまるで常にフルパーティー状態となるよう調整されております。つまり常にリザーバーがいるチームなのです。

この時はクリリンがタンバリンに襲われて死亡したので猪八戒役に欠員ができてしまい、素早くヤジロベーという新キャラが新猪八戒役として欠員補充をしたという良い例です。地球でのベジータとの戦いでもヤジロベーが活躍したのはクリリンが動けなくなってからでした。
もしかしたらトリシマ編集長のアドバイスに「三蔵一行は常にフルパを厳守」する、と言った指示があったのかもしれません。西遊記というテンプレには黄金律かなにかがあるのでしょう。

ピッコロ大魔王(初期)とマジュニア

西遊記で言う:混世魔王(こんせいまおう)黄風大王、黄眉大王

西遊記という物語の最初の深刻なボス級脅威といえば住処の水簾洞の悟空の家来の猿たちを蹴散らした混成魔王、ドラゴンボールだとこれに当たるのは悟空の仲間を何人も殺したピッコロ大魔王だと考えます。強引ですが名前もなんとなく「世」の字がピとコとロの組み合わせに見えなくもないし混もコロっぽい発音です。
西遊記での混世魔王との戦いでは悟空は混世魔王の武器を奪って倒していますが、ピッコロとの戦いでは逆に悟空が持っていた如意棒が弾かれてしまいました。西遊記を再構築しつつ展開を反転させつつ立派なオマージュです。
ドラゴンボールの魔封波と超神水の下りも菩薩から薬をもらい攻略をするという西遊記の黄風大王の逸話を魔封に変えつつ再構築したものと見られ、ピッコロ大魔王は西遊記での天竺の旅の中盤までに悟空が戦った数々の妖怪の要素を多く含んでいる西遊記の前期総集編のようなボスなのです。
その後の天下一武道会でマジュニアとして対峙した時は西遊記の孫悟空が黄眉大王の身体に中にはいった逸話が使れ、こちらでもマジュニアは悟空に体内へ侵入されて神を奪還されておりました。

続く

以上が序盤のアニメで言うドラゴンボール無印時代のキャラとなります。

続いて中盤以降のキャラとなりますが、長すぎて重いので次の投稿に続きます。

 

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