こちらではドラクエ3のネタバレ以外にも、話の関係上ドラクエ11に関する最重要なネタバレも含んでいるので注意して下さい。
*混乱しがちですが「王者の剣」、「ロトの剣」、「勇者の剣」は時代によって名称が違うだけですべて同一のものとなります。
この考察ではストーリー上での強さと劣化を考察しますので、攻撃力と言ったステータス的な物に拘る必要はないと考えます。
誰もが想像したであろうロトの剣がドラクエ2の時代に弱くなった理由を考察させていただきます

王者の剣、破壊と修復と劣化
ドラゴンクエスト3リメイクで大魔王ゾーマによって真っ二つに折られたロトと正義の象徴である「王者の剣」。神話の時代から一度たりとも破壊されたことのない(ただし魔王の剣となりやがて破壊されたルートも存在していた)この伝説の武器の破壊はゾーマの恐しさを物語り、ロトの伝説に深い影を落としました。
その後勇者の奔走のお陰でジパングの鍛冶職人によって修復された剣は、ゾーマ討伐後に「ロトの剣」としてラダトーム城に返されました。その数百年後のドラゴンクエスト1の時代に竜王に奪われましたが、ロトの末裔により竜王の城でロトの手に戻りました。竜王を倒した後の行方はわからないままでしたが、紆余曲折を経てドラゴンクエストIIの時代にまたもや竜王の城へ戻っておりました。
さて、DQ3、DQ1では最強の武器のひとつだったこの「ロトの剣」DQ2の時代には稲妻の剣にも劣る武器となってしまったのはなぜでしょうか?
それはゾーマの暗躍による傷、修復の限界等、この記事では、「ロトの剣」の衰退の謎を、ドラゴンクエストの壮大な物語とともに考察していきます。
そしてロトの剣と竜神族にまつわる物語をも紐解きましょう。
王者の剣とゾーマの暗躍
「王者の剣」はオリハルコン製の伝説の武器ということで、ダイヤモンドのように硬く、チタンのように衝撃に耐え、金のように錆びず、タングステンのように3422℃以上の高温でも溶けないと仮定しております。例えばドラゴンクエストビルダーズ2では「耐久値が存在せず壊れない」とされる事から、剣に宿る光の力の作用でオリハルコンが自己修復を行っていると考えます。DQ3では勇者専用の最強の剣の一つでしたが、ゾーマの執拗な攻撃により、その光の力が大きく損なわれました。
以前の記事で述べたように、HD-2D版では剣が折れる過程で切れ味も大きく低下し、物理的な破壊にとどまらず、光の力を根深く傷つけ、修復速度を著しく低下させました。またゾーマの深い闇の力が剣に残留し、自己回復を不完全にすることで、「王者の剣」こと「勇者の剣」は神話の時代の輝きを失ってしまたのです。
職人による修復の限界と光の力不足
ゾーマに破壊された「王者の剣」は、ジパングの鍛冶職人によって修復されましたが、完全な復元には至らなかったと考えます。というのも、ドラゴンクエスト11では、勇者本人が伝説の鍛冶場で「勇者の剣」を打ち、強大な光の力を注入しておりましたが、DQIIIでは一般人に近いジパングの鍛冶職人が修復を担いました。彼はガイアのハンマーを扱う事はできましたが、光の力を扱う専門知識や技術を持たず、勇者ではないので剣に新たな光の力を注入することはできませんでした。さらに勇者の剣を打つための禁足地に隠されドラクエ11のホムラの里の伝説の鍛冶場も利用できませんでした。
なので環境とと技術的限界により、ジパングの鍛冶職人の修復は不十分に終わり、光の力が弱まった剣は完全な輝きを取り戻せなかったと考えます。そのため、時間とともに剣が衰退していったのです。
メンテナンスの壁:剣を研ぐ困難さ
「ロトの剣」の衰退を加速させたもう一つの要因は、剣を研ぐメンテナンスの極端な難しさでした。オリハルコンの硬さはダイヤモンドに匹敵し、研ぐにはオリハルコンかそれ以上の硬度の素材が必要です。しかし、例えばオリハルコン同士で研ぐ場合、磨耗が早く、ただでさえ貴重なオリハルコンがすぐに消耗してしまいます。このため、研ぐ際には刃の角度を均一に保ち、摩擦熱による損傷を防ぐため魔力で冷却し、微細な制御を行う特殊技術が不可欠だったことでしょう。剣を修復したジパングの鍛冶職人も光の力を扱う知識を欠いており、ガイアのハンマーだけではメンテナンスは難しかったことでしょう。ゾーマの攻撃で光の力が弱まったことで、剣の自己修復能力が不完全になり、研ぎを補助する神秘的な光の力も不足しました。
オリハルコン自体も希少だったため、研ぎ素材の確保はさらに困難でした。このメンテナンスの壁が、剣の衰退をさらに悪化させたことでしょう。通常の剣なら定期的な研ぎで切れ味を保てますが、「ロトの剣」はその特殊性ゆえに一般の鍛冶屋では手が出せず、衰退を防ぐのはほぼ不可能でした。
竜王のひ孫とロト一族の絆

DQIIの時代、ロトの剣は竜王の城にあったので、これは竜王のひ孫が「ロトの剣」を管理していたと考えます。DQIで勇者に敗れた竜王の子孫がなぜ剣を保持していたのでしょう。その答えはロト一族と竜神族の絆、そして和解にあります。
ゾーマ戦後、「ロトの剣」はラダトーム城に返されましたが、DQIの時代に竜王に奪われました。竜王の敗北後、剣の正確な行方は不明でしたが紆余曲折を経てDQIIの時代に竜王の城へ戻りました。つまりこれは竜神族の末裔である竜王のひ孫が剣の保護に奔走したと考えられるのです。
ここで話をドラクエ11のラストに戻しましょう。聖竜より、自身が悪に染まった時にはロトの勇者に自分の討伐を依頼したクエスト、通称「ドラゴンクエスト」ですが、このクエストはDQ1で勇者が竜王を倒したことにより達成されました。
神話の時代に託された依頼がDQ1で悪に染まった聖竜の化身である竜王を開放したのです。なので竜神族はロトの勇者に対しては感謝しかなく、竜王のひ孫にとっては悪に染まった先祖を助けてもらったということになるので、DQ1でロトの勇者が竜王を討伐したことによる恨みはそもそも存在しないのです。
ドラクエ11ではローシュ亡き後の勇者の剣は、聖竜の化身である世界樹の奥に大事に保管されていましたが、竜王が勇者の剣を自分の城に保管してたのはこの神話の時代の記憶が色濃く残っているからです。
そして竜王のひ孫も同様に、勇者が来るまで剣を竜王の城という自分の実家で大事に保管しておりました。

竜王のひ孫は聖龍からの伝統に則り、剣を守ることで一族の感謝の気持を示したのでしょう。かつての宿敵の子孫が正義の剣を守るという行為は、互いへの憎しみが終わった事を意味します。この和解は今後のロトの歴史の中で新たな伏線として輝くことでしょう。
ということで竜王の一族と曾孫は、剣を勇者の子孫に返す使命を胸に、DQIIの時代に勇者の末裔が現れるまで勇者の剣を大切に保管していました。衰えたとはいえ、剣が完全に失われなかったのは、この和解の絆があったからこそです。竜王の城に剣が保管されていたのは、ロト一族と竜神族の絆によるものだったのです。
そして遠い未来に闇が再度世界が覆った時、竜王のひ孫によって救われたこの「ロトの剣」が世界を救うことになると予言します。
ゾーマの呪いとロトの剣の未来
ゾーマの攻撃により、「王者の剣」の光の力が弱まり、修復に必要な希少な素材の不足、ジパングの鍛冶職人の技術的限界、伝説の鍛冶場の不在、メンテナンスの困難さがロトの剣の衰退を加速させ、DQIII、DQIでは最強の武器の一角として君臨した「ロトの剣」も、DQIIでは稲妻の剣に劣る存在になってしまいました。
修復された王者の剣ですが、ゾーマの闇の力による爪痕は深く、ロト伝説の象徴たる剣に永遠の傷を残しました。
光の力が弱まった「ロトの剣」は、ゾーマの執念がどれほど恐ろしかったかを物語っております。DQ11で勇者の剣が魔王の剣に変えられ最終的に折れてしまったように、「ロトの剣」にもゾーマの呪いが残り、衰退を促したのでしょう。この残留する闇の力は、剣の未来を曇らせることとなりました。しかしゾーマの闇の呪いが解けた時、ロトの剣は本来の力を取り戻すのです。
まとめ
「王者の剣」は、ゾーマにより光の力を弱められ、前述の要因により時代とともに衰退しました。ゾーマ戦後ラダトーム城に返され、DQIで竜王に奪われた剣は、紆余曲折を経てDQIIで竜王の城へ戻り、ロト一族と竜神族の和解の証として守られました。ゾーマの恐るべき呪いと所業は、ドラゴンクエストIとIIの「ロトの剣」の衰退に繋がり、ロトの伝説に長く深い影響を残しました。しかし呪いは解けるもの。ロトの剣事勇者の剣は竜神族の協力により、いつか往年の輝きを取り戻すことでしょう。
