キリスト教と聖書(旧約含む)に関する知識が少し必要です
ドラクエ11を最後までクリアした方にしか意味がわからない内容となりますので、ドラクエ11のエンドコンテンツとして読んでいただければ幸いです。
はじめに
当サイトの考察は、作中にある確実な事実と証拠を素に物語の可能性を探っていくものであり、ゲームや公式で語られることのない部分を想像力で補うのが目的です。なので妄想といえば妄想で片付きますが、限りなく推理に近い妄想だと思っていただければ幸いです。もちろんこの考察は数ある可能性の中の一つでしかありませんが、ドラクエに対して思考を張り巡らせるきっかけとなれば嬉しいです。
今回は話の関係上どうしても宗教的なお話になることもあります。筆者自身この記事を書くにあたり宗教的な知識は全てインターネットから得たものとなっており、知識が偏っている場合があります。その時は何卒寛大な目でご指摘いただければ幸いです。
*以下の作品のネタバレや情報を含みます
ゲーム:DQB、DQ2、DQ5、DQ8、DQ11
*ここの内容の一部をそのまま拝借して動画にしている方がいるという報告がありました。動画で使用する場合は動画内か動画の説明でここのブログのリンクを張って貰えればいいのでよろしくお願いします。
ドラクエ11のエンディングとストーリー関係が良くわかっていないと、とても難しい話となっておりますので、以下の過去記事をご参考ください。
ドラゴンクエストの大まかな世界観と宗教観
今回はPS4でのドラクエ11Sの発売を記念して、ドラクエのロト伝説最大の元ネタとなる旧約聖書のロトとの関連性から、ドラクエ11の物語の更なる考察を行いたいと思います。
ドラクエの物語は大まかにギリシャ、スペイン、北欧、エジプト、インド、東洋といった世界中の様々な神話や物語がベースとなっておりますが、その中でも1986年の第一作発売当時の日本人の持っていた中世ファンタジー観に近いキリスト教的な世界観や逸話を採用したのは周知の事実です。
作中重要な役割を果たす教会も十字架で描かれていることが多く、キリスト教的な西洋中世世界とギリシャの多神教神話世界合わさった感じだと思えば良いと思います。また騎士道の要素は多分に「ドン・キホーテの物語」から来ております。
ちなみに海外バージョンだと十字架の使用は自粛され表現が変更されているようです。
旧約聖書
ドラクエのロト伝説最大のオマージュ元はもちろん旧約聖書にある「ロト」の逸話でしょう。
ドラクエ11は原初のロトのお話なので神話の時代に当たります。聖書で言う所の旧約の時代なので、扱い的にも似ています。
さてご存じの方も多いと思いますが、ロトというこの比較的珍しい名前は旧約聖書の創世記の登場人物から来ています。ロトは英語綴りだと「Lot」とやや地味ですが、カタカナの「ロト」だと字面がカッコいいので、きっとそれが採用された理由の一つじゃないかと思っています。
さてこの「旧約聖書の方のロト」は勇者というわけではないので、戦う事もなくほとんど放浪するだけです。むしろ主人公格の父親アブラハムに助けられる役なので勇者とは程遠い存在です。イスラム教でも預言者として扱われておりますが、そこまで目立った活躍はしていません。
さて、彼の物語での問題の部分がこの旧約聖書の「ロトの娘たち」。ネットを見てもどうやら大変神父泣かせな逸話があるのです。
というのも旧約聖書のロトの逸話ハイライトとして、ソドムとゴモラが神の怒りに触れ滅ぼされたとき、善良なロトの家族だけは神の導きで街が崩壊する前に脱出するのですが、ロトの妻が塩柱化してしまったハプニングを乗り越え、後に避難先の「ロトの洞窟」と呼ばれる所でなんと実の娘二人との近親相姦を行ってしまいます。そして子供が生まれ、それぞれの子はモアブ人、アモン人という大きな氏族の祖となり繁栄します。余談ですが、ロトは酒に酔わされて意識不明の状態で強姦されたので、ロト自身に罪は有りません。恐ろしいのはこの娘たちなのです。
この二人の娘たちがベロニカとセーニャの元ネタとなった可能性があるので、後ほど考察したいと思います。
また旧約聖書で、ソドムとゴモラから脱出する際に決して後ろを振り返ってはいけないと神に言われながら、振り返ってしまった為に塩柱と化してしまった「ロトの妻」、現在でもロトの妻の塩柱とされるものが存在しておりますが、見た目は単なる岩なので、まぁほぼ石化です。なのでDQ3でのルビスとDQ5ビアンカ、DQBでのローラ姫と、とにかくドラクエヒロインは石化するのですが、それらは旧約聖書のこの逸話から来ているということがよくわかります。そして、それを悟らせない為ドラクエは他にも石化イベントが多いのかもしれません。
それと「柱」になるということは、神になったと解釈することも可能です。多分鬼滅の刃とは関係ありません。すみません無理やり流行りに絡んでみました。
ドラクエ11の物語でも禁断の過ぎ去りし時を求めて過去を振り返ったセニカは、心のない神のような存在、時の番人に変えられました。これも旧約聖書のオマージュでしょう。
ドラクエにおけるのロトの伴侶(セニカ、ルビス、ローラ)は、名前すら知られていない旧約聖書の「ロトの妻」が下地になっているのです。
ベロニカとセーニャの謎
ということでベロニカとセーニャの話に入ります。
この二人の出自に関する謎、実はほとんど何も解明されていません、セニカそっくりな理由も最後まで謎、その上途中で「導きの木」になって大樹の過去の記憶を引き出したりするもんだから、更に謎が深まるばかりで、結局最後まで彼女らの正体に関する明確な答えは何も出ませんでした。
この部分、DQ11最大の謎だと思うのですが、なぜかあまり注目されていない気がします。きっとあまりに謎すぎるので、各プレイヤーは知らないうちにベロニカとセーニャの出自に関してスルーしてしまっているのではないでしょうか?
可愛いから別に良いとも思ってしまいそうになりますが、否。私は可愛いから解明したいのです。そしてこれは堀井雄二先生が我々に与えた謎解きだと思って解明するべきではないかと思います。
推理アドベンチャーゲーム「ポートピア連続殺人事件」と「オホーツクに消ゆ」「軽井沢誘拐案内」のシナリオ製作者でもあるベテラン推理ゲーム作家の堀井雄二先生なので、自然とこう言った謎解き推理をゲームに仕込んでいても全くおかしくありません。なので、他のブロガーさんも指摘したように、ドラクエ2ラストでルビスとローラ姫の関連性を匂わせたあの時も先生がプレイヤーに向けて謎を仕込んだものと考えています。なので我々ファンはこれを解明する義務があるのだという謎の使命感で考察を行いたいと思いますし、これをきっかけに皆様にも想像を膨らませてもらえれば嬉しいです。
というわけで様々な経緯が全く不明のベロニカとセーニャ、これは一体どういうことなのでしょう?
彼女らがこの世界で最初に観測されたのは、聖地ラムダ近辺の静寂の森の木の下でファナード長老に発見された時でした。
この描写から、プレイヤーはまず:
①ベロニカとセーニャは大樹によって産み落とされた存在なのか?
という点を考慮すると思います。たしかに終盤で大樹の若木みたいなものに変身し、大樹の持つ太古の記憶を披露しました。彼女らは大樹の苗木、つまり聖樹の子供なのでしょうか?いや、他にも大樹の苗木がありましたが普通に木だったのでそれはなさそうです。
この世界の全ての生命は大樹を巡って生まれ変わるので、どの命も大樹の一部であると解釈出来るためはっきりしません。そもそも導きの木に変身した際、過去の記憶を持っている預言者ウラノスも居合わせているので、ウラノスが導きの木に記憶を託したのかもしれません。ウラノスもベロニカとセーニャが変身した「導きの木」に関してやたらと詳しかったですし。
とにかく大樹が人を生むという描写は伝承レベルでしか聞きません。大樹が産んだと言われいている勇者ですが、主人公の勇者イレブンの場合はエレノアという人間から生まれた勇者の痣を持った人の子です。
大樹が人を生むというのは直接的な意味合いではなく、より間接的な抽象的な意味ではないかと考えられますので、まずここで大樹が人を生むような描写がある作中の文献を見てみましょう
「ローシュ戦記」
~第一章 始まりの詩~
生命を紡ぐ 命の大樹
その息吹より生まれし 光の勇者。
勇者の光 尽きることなき まばゆさで
果ては 漆黒の影を生みださん。
影の名は 混沌を統べる 邪悪の神なり。~第二章 祈りの詩~
命の大樹の息吹 聖なる山の頂に
愛の祈りを ひびかせん。
祈りを受けて生まれし 赤子。
その者の名は セニカ。
勇者を守る 聖賢の乙女なり。
当時のローシュの偉業でテンションダダ上がりの事情をよく知らない一般人が書いたようなポエムという感じも否めませんが、確かにこの文章を見ると一見ローシュとセニカは命の大樹(聖樹)によって産み落とされたかのような記述です。ただこのセニカ、残された恋文などを読む限り賢者のくせに煩悩全開の人間のようで、大樹によって創られた存在にしてはあまりにも人間らしいのです。まぁ愛の祈りを響かせて生まれているので、生まれたときから煩悩全開なのかな・・・
そしてこの文章をよく見るとセニカは山頂とは書いてあっても、大樹で生まれているとは一言も言ってませんね。山の頂きで生まれてもアレですが。
ローシュの生まれ変わりであるもうひとりの勇者イレブン(主人公)の方はちゃんとエレノアという人間から生まれているあたり、これはあくまで伝承によくある抽象的な話の盛り方だと思います。つまり「大樹の祝福を受けて生まれた」、と言う程度のニュアンスで捉えた方が良いでしょう。そもそも大樹が勇者といった最強戦力を直接産めるのではれば、話はかなり早く解決してしまいます。
また、聖樹が勇者イレブンのサポートのためにベロニカとセーニャたち直接創造したとしたら、わざわざセニカに似せた二人の双子を創造する意味が全く無いので、やはり聖樹によって産み落とされたとは考えにくいのです。
もう一つ、勇者イレブンは手に紋章を持って生まれましたが、これは大樹が剣を渡すため、後にやってくる勇者を確認するためのマーキングシステムだと思われます。このようなシステムが存在することから、ますます大樹に人を生む力はないと思われます。
余談ですが、作中で主人公はこのマーキングを魔王に奪われてしまったあたり、結構ガバガバなシステムで、聖龍の詰めの甘さがよくわかります。
それと、「ローシュ戦記」のこの部分
勇者の光 尽きることなき まばゆさで
果ては 漆黒の影を生みださん。
影の名は 混沌を統べる 邪悪の神なり。
邪神ニズゼルファはローシュが生まれる前から存在していたので、ここで勇者たるローシュが実際に生み出した闇は、ウルノーガとなります。まさにこの勇者のまばゆいリア充の光によってウラノスが闇落ちしたという証拠です。以下参考記事
この「ローシュ戦記」をよく見ると、大樹が人を生んでいるという記述ではなく、大樹の息吹、つまり命の循環によってローシュとセニカが生まれてくると言っていることがよくわかります。
ということで、大樹が人間を産み落とした実質的な証拠が見つからないので、結論とするのは早いかもしれませんが、大樹にはどうやら人間を直接産み落とす力はないと思われます。
そうなるとベロニカとセーニャは確実に人間から生まれた人の子、ということが確定できます。
これは彼女らの正体に迫るための大きな進展となります。
では彼女らは一体どこからやってきたのでしょう?次に考えられるのは
②ベロニカとセーニャは単に森に捨てられた孤児
ラムダ近郊の静寂の森に捨ててあったのであれば地理的にラムダ在住の人間以外ありません。あの村は僻地にあるため閉鎖的で人口も少なく住民同士がなんか使命を帯びて生きてる感じなので連帯感が高い上、お互いよく見知っていそうなので、住民や長老に隠れて誰かが出産して森に捨てることはまず不可能です。
そして外部の一般人には到底到達できないところにあるので、外からわざわざ赤子を捨てに来たというのも考えにくく、よほどのラムダマニアでラムダの住民に育ててもらいたいという目的だとしても静寂の森の目と鼻の先にあるラムダの教会の前に捨てるでしょう。
なので単なる捨て子だという可能性も殆どないのです。
普通に考えればここで詰みです。
他に考えられることはなにか?ここは一つ時渡り脳で考えましょう。
③彼女らは時渡りによって時空を超えてやってきた
彼女らは気がついたらそこにいたという現れ方をしております。さてこのしれっとした表れ方、どこかで見たことあるとおもいませんか?
そう、これは主人公の時渡りと同じ表れ方なのではないでしょうか?!
彼女らは赤子のまますぐ時渡りでこの世界にやってきたと考えると、いろいろな点で合致するのです。
もしそうだとすれば、話は一気に飛躍しますが、ベロニカとセーニャは別の時代もしくは別の世界線からやってきた存在だということになります。
サブタイの「失われた時を求めて」ですが、もしかしてベロニカとセーニャこそが失われた時を求めてやってきた最初のトラベラーなのかもしれません。
聖地ラムダは聖樹の根も張られており時空のアンカーポイントとして機能し、時渡り旅行者はそこから現れやすいのではないかと睨んでいます。なので時のオーブを壊さなくても、主人公も序盤に行った聖樹の根っこタイムワープも使いやすそうです。
ではどの時代のどの世界線からやってきたのでしょう?そして誰から生まれたのでしょう?
それらを踏まえ、ベロニカとセーニャに関しての情報を整理してみたいと思います。
作中で二人について分かっている事のまとめ
- 赤子の時にラムダの静寂の森で拾われる。
- 高い才能を感じ取った長老によってセニカの代わりに勇者を守るための英才教育を施される。
- 勇者を求めてラムダを旅立ち、ホムラで勇者と出会う。
- 導きの木に変身して太古の記憶をみんなと共有した。
- 勇者の導き手なだけあって変身した木も「導きの木」。
二人の呼称
双賢の姉妹、運命の双子 勇者の導き手
ちなみにこれをセニカに当てはめると、
聖賢の乙女 時の番人 勇者の守り手
3人の関連性がよくわかりますね。
二人に関する最初の記録がこちら
ベロニカとセーニャの育ての親からの供述
十数年前……静寂の森の 木の下で
ファナード長老が 二人並んで泣いている
赤ん坊を見つけ 拾ってきました。
長い間 子供を授からなかった私たちは
二人の赤ん坊…… ベロニカとセーニャを
引き取り 我が子として育ててきたのです。
長老は おっしゃいました
その子たちからは 不思議なチカラを感じる。
セニカ様の生まれ変わりに 違いないと……。
二人の命名者はこの育ての親もしくは長老のようですね。となると生みの親からもらった本名もあるかもしれません。
そして、この経緯だけではベロニカとセーニャが本当に双子なのかどうかも確証が持てないということもわかります。まぁ見た目が似ているので周りが双子で納得したのでしょう。そもそもファナード長老が本当に静寂の森で拾ったのかどうかも疑わしいといえば疑わしいですが、これを疑うときりがないのでおいときましょう。
セニカとの関係
にしても皆様ご存知の通りセニカは時の塔に存在していたので、「セニカの生まれ変わりに違いない」と断言していた長老が間抜けに見える展開となりましたが、果たして長老は完全に間違っていたのでしょうか?
ベロニカとセーニャ最大の謎は、当初はセニカの生まれ変わりを匂わせていたのにも関わらず、結局セニカはずっと存在していたので、彼女らはセニカの転生体ではなかったという部分です。では何故ミスリードされるほど見た目や能力が近い存在なのか?そこにヒントが有るのではないかと睨んで考察を進めます。
ベロニカとセーニャは何故容姿や能力ががここまでセニカに近いのか?
聖樹による模倣やセニカの転生やクローンでなければ、後はもうセニカの血縁者の線で行くのは当然だと思います。そして血縁の線で考えると、答えはかなり絞られてきます。
時渡りの存在があるので、どちらかがどちらかの子孫というのも不可能ではなく、様々な可能性があるのですが、とりあえずここで彼らの面影を見比べてみましょう
ここでセニカローシュ夫妻とベロニカとセーニャの4つの画像があります。
セーニャとセニカ、ベロニカとローシュ
パッと見てもセーニャはセニカ顔だというのがわかります。では少し顔立ちが違うベロニカはどうでしょう、確かにセニカの面影はありますが別の面影が加わっているように見えます。気のせいでしょうか、この写真を見ると筆者はどうしてもローシュの面影を見出してしまうのです。
そう、セーニャはセニカに、ベロニカはローシュに似ていると思いませんか?
これが意味することは一つ、ベロニカとセーニャはローシュとセニカ夫妻の子孫、いいや更に飛躍すると双子の子供だった可能性があります。
仮説:ベロニカとセーニャはセニカとローシュ夫妻の娘
ここでまさかの仮説が出てきたので考察してみたいと思います。
ドラクエは前例をリスペクトする部分があり、今回の11は集大成の意味も兼ねて過去作品のオマージュがたくさんあります。ということで双子が生まれるという展開はドラクエ5でも前例がありますので今作のどこかにその要素があってもおかしくありません。
ただここで一つ問題だと思っていたのが、ドラクエ11Sで追加された全員との結婚イベントです。
ご存知の通り無印のドラクエ11ではエマとしか結婚できませんでしたが、11Sからは全員との結婚イベントが追加されました。つまり、主人公はローシュの生まれ変わりなのに、ベロニカ&セーニャとの結婚イベントがあるので、もしベロニカとセーニャ姉妹が本当にローシュの娘なら、転生体とはいえ実質的に自分の娘との結婚となり、これは倫理的なタブーなので考察も破綻したなと当初思っていました。
ここで旧約聖書
なんと逆にこれがここで旧約聖書のロトの親娘近親相姦のくだりと合致してしまったせいで、タブーではなくなったどころか、旧約聖書のオマージュとなってしまいました。
そもそもロトという名前をつけるということはこの旧約聖書のロトに関する代表的なイベントも念頭において構想しなければならないという事でもあるのです。
この場合、父のローシュの生まれ変わりのイレブンと関係を持つことによって、直接的な親子の近親相姦ではなくなりギリギリセーフという解釈をしたという事、つまり旧約聖書のロトの近親相姦の件に対する堀井雄二先生の一つの答えが見えてくるような気がしてならないのです。
旧約聖書ではロトに随伴した二人の娘はそれぞれ大きな氏族の祖先となる男子をもうけております。ここで示唆されることは、ロトの一族はここで二つに分かれたという事。DQ11の真エンディングに出てくるの赤本と緑本は、もしかしてベロニカとセーニャをそれぞれの源流とする二つのロトの一族の話なのかもしれません。
赤の勇者の一族と、緑の勇者の一族です。
赤といえば、ファミコンのカセットの箱とタイトル面が赤のドラクエ3
赤の勇者の一族はロトの一族と呼ばれる勇者の系譜。
緑といえば勇者の髪の色が印象深い緑のドラクエ4
緑の勇者の一族は、天空人と天空の勇者の一族の系譜となるのかもしれません。(こじつけ
ではそうだとしたら
ベロニカ&セーニャはいつ生まれたのか?
ローシュたちのニズゼルファとの戦いの冒険中に生まれ、決戦前に別の時代に飛ばされたのでしょうか?ニズゼルファを倒す勝算があったのでローシュ夫妻が自ら娘を別時代に飛ばすことはなさそうですが、冒険の途中でそう言った特殊な事態に遭遇した可能性は否定できません。冒険中に生まれたとしたらドラクエ5のオマージュになりますが、生憎そのような描写はまったくないのでまぁないでしょう。
となるとやはりセニカが時渡りで戻ってローシュと共にニズゼルファを倒した後の平和な世界で生まれたということになります。つまり真EDの後にセニカとローシュの間で生まれたということです。
では何故別の時代に送られたのか?それはもちろん主人公イレブンが世界を救うのを助けるために、ローシュとセニカが平和な世界線から二人を遣わしたということになります。ベロニカとセーニャの導きがなければ、るローシュ生存の世界線に辿り着けないので、彼女らをあの時代に送らなければならないのです。
ゲーム中の他の例を挙げると、ゲーム序盤、主人公イレブンは過去のイシの村で既に故人となった祖父と会ったことで過去に干渉した結果、現在のイシの村に祖父の手紙を出現させました。過去に干渉したことによって、その過去が未来に干渉したと言う事、つまりドラクエの各時代は相互干渉しているという証拠です。
ドラえもんでいえば、大長編ドラえもんその2の「のび太の大魔境」のラストで、「先取り約束機」(これで予約すれば、その結果を先取りすることができるが、約束したことは後で必ず守らなくてはいけない)で未来の自分たちに助けを求めるところです。のび太たちは物語の最後、先日戦った自分たちを助けるために過去に行きました。それと同様に彼女らがあの時代に飛ばないと運命の輪が完成しないので、この因果は必然だということを時の番人であったセニカが一番よくわかっているはずです。きっとベロニカとセーニャが生まれた瞬間セニカは悲しみとともに悟ったのでしょう、姉妹をあの世界線に送らなければならない・・・と。
と言う事で要約するとベロニカとセーニャは平和な時代の世界線を維持するためニズゼルファのいる時代に遣わされたと考えられます。ニズゼルファを打ち破ったきっかけが平和な未来から遣わされた運命の双子で、平和な世界を達成するために必要なピースが、実は平和な世界で生まれたベロニカとセーニャだったら素敵だなと思います。
彼女らは違う世界線にいる自分の父と同一の存在を助けるために遣わされた存在だったので、勇者を助けるという明確な使命を持ってこの世界線にやってきたのです。それ故にすべての勇者の導き手となりました。そう、イレブンのみならずとローシュも彼女らの導きの対象だったのです!
時渡りに関しては、時の番人を経たセニカは既に時の大賢者なので、娘たちをどこの世界線に飛ばすかなんてお手の物です。また、違う世界線とはいえ、いずれもセニカが過去に通った世界なので、彼女にとっての過去は大変時渡りがしやすいのです。
ベロニカもセーニャも樹になったことだし聖樹との親睦性が高いでしょう。なので主人公が序盤に行ったような聖樹の根っこによるタイムワープもお手のものでしょう。いやだからこそ終盤で樹になったと考える事も出来ます。
勇者ベロニカ
妹のセーニャよりも勇者ローシュに似たベロニカなので、ローシュから受け継いだであろうその勇気は、ご存知の通り仲間を救うための自己犠牲の為に使われました。
そのため実はベロニカこそゲーム内で最も勇気を持った勇者よりも勇気のあるキャラクターだということになります。
本当に勇気があるのならウルノーがが引き起こした崩壊時に身を挺して仲間を守るのは最も勇気のあるはずの勇者なのですが、勇者が死ぬと世界を救えない為、最も勇気のあるはずの勇者は自己犠牲の行動を起こすことができないという矛盾を抱えており、仕方ないので勇者の導き手である勇気あるベロニカが犠牲となったのです。
そして皆さん御存知の通り、ベロニカのこの行為なくしてニズゼルファ討伐とローシュ復活は不可能でした。
運命の双子の偉大なる力
太古の時代にローシュをウラノスに殺されてしまい、勇者を守ることに一度は失敗した賢者セニカでしたが、ベロニカとセーニャの導きによって、最後はローシュを守ることができる世界線へ行きつきました。
実はこれ、ベロニカがウルノーガの大崩壊時に自己犠牲で死ななければ達成できなかった奇跡で、ベロニカの死が勇者の時渡りのきっかけとなり、それが唯一ローシュを含むすべてを救済出来るルートへと繋がりました。
ベロニカの大崩壊時の決断による死と復活は、やがてセニカを人として蘇らせ、彼女を元の時代に帰し、死んだ過去の勇者ローシュをも救ったのです。これは正に超時空の奇跡です!
この畏怖すべき神の如き運命の双子の力、真エンディングまでクリアした方なら鳥肌が立つのではないでしょうか?
ちなみにベロニカと言う花の花言葉は「忠実」と「名誉」です
ベロニカと新約聖書
「ベロニカ」という名前は、キリストとゆかりのある名前で、キリストが人類の罪を背負って十字架に貼り付けになるためにゴルゴダの丘を登った際にキリストの汗を拭って応援した女性の名前が「ベロニカ」です。そのキリストの汗を拭った布にはキリストの顔が浮かび、聖遺物となりました。これは勇者のサポート役としてもふさわしい名前でしょう。
ただドラクエ11でのベロニカの場合、人類のために一度命を投げ打った後に復活するので、やったことは勇者以上にキリスト的なのです。もちろんそのベロニカのために時の宝珠を壊して危険を犯して時渡りを行った勇者イレブンもすごい勇気でした。
神話から、そして伝説へ
この姉妹の神性がどんどん明るみになってきたところで、このブログではセニカ=ルビス説を提唱しているので、ベロニカとセーニャがローシュとセニカの娘だとすると、ベロニカとセーニャはなんとルビスの娘と言うことにもなりますので、ベロニカとセーニャはその後人間よりもかなり上の存在と化しているかもしれません。
ルビスとギリシャ神話
ルビスと二人の関係は、ギリシャ神話のアテナと随神ニケの関係に似ております。ルビスもこのアテナの要素を多分に含んでおりますが、このアテナの随神の「ニケ」、「ニケ」は勝利を意味し、「ベロニカ」の語源も「ヴィクトリー(勝利)」から来ているので、これは偶然ではないかもしれません。
ルビス(セニカ)の従者及びラーミア(レティス)の卵の守り手として謎の双子の姉妹が度々登場しますが、「おおぞらはお前のもの」のセリフも共通で、もしかして遠い未来のベロニカとセーニャだとしたら素敵ですね。
各ドラクエでベロニカとセーニャの転生体と思われるキャラたち
レイアムランドの双子
DQ3でルビスから預かったラーミアの卵を守るレイアムランドの双子は相当長い年月、それこそ神話の時代からラーミアの卵を守っているような感じの割にはいつまでも若々しく、人間以上の存在のようです。彼女らがルビスの娘で、ベロニカとセーニャの化身なら納得でしょう。
DQ8のレティスの卵を守る双子も彼女らと同一の存在かもしれません。
ミネアとマーニャ
DQ4の有名美人ジプシー姉妹、こちらは双子ではありません。そもそもベロニカとセーニャはミネアとマーニャのオマージュ的な要素です。ベロニカとセーニャもドラクエ4の世界ではこの姉妹に転生して楽しくやりそうではあります。ベロニカがマーニャでセーニャがミネアですね。姉妹関係も同じで、勇者の導き役という所も同じです。
グランバニア王家の双子の王子と王女
グランバニアの王女が少女ルックスで結構ベロニカと共通しているせいか似ている気がするので、ベロニカが王女、セーニャ王子といったところでしょうか。グランバニア王子といえば天空の勇者なので、先の理屈でいうと緑を代表するのセーニャの方がふさわしいでしょう。
おしまいに
ドラクエ11発売から3年経ちます。ブログを3年前に始めて、ケトス、レティス、ラーミアの関連性に関してずっと研究模索をしていたのですが、結局目ぼしい発見をすることができませんでした。しかしその反面副産物として様々な発見があり、様々なドラクエ11考察記事が書けました。
筆者はとにかくドラクエとドラクエ11が大好きすぎて、クリア後もドラクエ離れができずにこうやって世界を掘り下げて考察しておりました。しかしネタも出し尽くしたので、ドラクエ11に関しては多分今回がエンドコンテンツとなるでしょう。もちろんまた記事がかけるぐらい新たな発見があれば喜んで投稿したいとは思います。
事実と事実という点と点を妄想で強引に結びつけたようなこの考察に最後までお付き合い頂きありがとうございました。
これも可能性の一つとして信じるのも信じないのも全てプレイヤー次第、どんなに映像技術が発展しようとも人の妄想がRPGの醍醐味であるということをゆめゆめ忘れるなかれ。
ドラクエ12もこれぐらい考察のしがいがある作品だと信じて心待ちにしております。
エンドコンテンツ+1
ドラクエ11最後の謎、神秘の歯車に刻まれた文字